チャプター 273

夕食の時間などとうに過ぎていたが、ヘンリーはなおもホテルの正面玄関の外にひとり立ち、車のドアにもたれていた。足元には吸い殻がいくつも散らばっている。

あの午後、ソフィアはビリーを連れてアレクサンダーの車に乗り込み、それきり今になるまで戻ってこなかった。

ソフィアとアレクサンダーが何か不適切なことをするとは思っていなかった。なにしろ、ビリーが一緒だったのだから。

それでも、胸の奥では空虚な感覚がじわじわと広がり続けていた。

ヘンリーは助言を求めてベンジャミンに電話をかけた。

「恋愛の達人、助けてくれ」彼は電話口で懇願した。

そのときベンジャミンは、露出の多い服を着た女たち二人に左右か...

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